ご挨拶
謹啓
残暑の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、私こと星野一義は、2002年8月28日をもちまして、レーシングドライバーを引退する事と致しました。ここに謹んでご報告申し上げます。
私、10年余り前から腰痛に悩まされており、昨年末に手術を受けましたが完治するまでには至らず、なんとか精神力でカバーしつつレースに臨んで参りました。しかし、そんな状態では満足の出来る結果を出せる筈もなく、自分自身への苛立ちをつのらせるばかりとなってしましました。そのような事から、今後は恵まれた才能を持った若手にドライバーズシートを譲り、自らは強いチームづくりに専念、日本のレース界をもっと盛り立てていこうと決心した次第です。
思い起こせば様々なレースシーンがよみがえり、万感胸に迫り来るものがあります。特別筋が良かった訳でもない私を四輪のレースの世界に導いて頂きそしてここまで育ててくださった日産自動車様、常に私を大きな力でくださったブリヂストン様、カルソニック様、その他、多くの方々に多大なるご指導ご支援を頂きましたこと、心より御礼申し上げます。
わがままな私を長い間暖かく見守っていただき、皆様のおかげで本当に幸せなドライバー人生を送らせていただきました。ご指導ご支援を頂きました皆様、そしていつも応援してくださったファンの皆様、我がドライバー人生に微塵も悔いはありません。本当に有り難うございました。今後はチームの運営、若手の育成等に力を注いでいく所存です。今後ともますますのご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒宜しく御願い申し上げます。
まずは、略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。
敬具
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